火山名 有珠山 噴火警報(居住地域) 平成8年3月28日11時55分 札幌管区気象台 **(見出し)** <有珠山に噴火警報(噴火警戒レベル4、避難準備)を発表> 噴火による被害が予想される居住地域では避難などの厳重な警戒をしてくだ さい。 <噴火警戒レベルを3(入山規制)から4(避難準備)に引上げ> **(本 文)** 1.火山活動の状況及び予報警報事項 有珠山において3月27日から地震活動が活発化していることから、本日 火山噴火予知連絡会拡大幹事会を気象庁で開催し、次の見解を発表しました 。 有珠山では、3月27日昼頃から地震が次第に増加し、地震の震幅も次第 に大きくなっており、本日(28日)に入ってからは、山麓で有感となる地 震も発生している。震源は北西山腹の深さ3から4kmと推定される。噴気 活動は今のところ変化は見られない。 今回のように活発な地震活動は、前回の昭和52から3年(1977から 78年)の噴火活動期以降では初めてである。有珠山の最近400年の活動 では、地震活動が次第に活発化した後、1日ないし数日の間に噴火した例が 多い。 以上のことから、今後噴火が発生する可能性があり、火山活動に警戒が必 要である。 噴火による被害が予想される居住地域では避難などの厳重な警戒をしてく ださい。 2.対象市町村等  以下の市町村では、当該居住地域で避難などの厳重な警戒をしてください 。 北海道胆振支庁:洞爺湖町、壮瞥町  以下の市町村では、火口周辺で入山規制などの警戒をしてください。 北海道胆振支庁:伊達市 3.防災上の警戒事項等 居住地域を含む広い範囲で、弾道を描いて飛散する大きな噴石に対する警 戒をしてください。 風下側では、少量の降灰に注意してください。 <噴火警戒レベルを3(入山規制)から4(避難準備)に引上げ> **(参考:噴火警戒レベルの説明)** 【レベル5(避難)】:危険な居住地域からの避難等が必要。 【レベル4(避難準備)】:警戒が必要な居住地域での避難の準備、災害時 要援護者の避難等が必要。 【レベル3(入山規制)】:登山禁止や入山規制等危険な地域への立入規制 等。状況に応じて災害時要援護者の避難準備等。 【レベル2(火口周辺規制)】:火口周辺への立入規制等。 【レベル1(活火山であることに留意)】:状況に応じて火口内への立入規制等。 (注:避難や規制の対象地域は、地域の状況や火山活動状況により異なる