火山名 有珠山 噴火警報(居住地域) 平成8年3月29日11時10分 札幌管区気象台 **(見出し)** <有珠山に噴火警報(噴火警戒レベル5、避難)を発表> 噴火による被害が予想される居住地域では避難などの厳重な警戒をしてくだ さい。 <噴火警戒レベルを4(避難準備)から5(避難)に引上げ> **(本 文)** 1.火山活動の状況及び予報警報事項 有珠山の火山活動について、火山噴火予知連絡会拡大幹事会から次の見解 が発表されました。 有珠山の地震活動が、急速に活発化している。昨日28日、横這い状態で あった地震回数は、本日29日に入り時間を追って増加している。現地有感 と思われる振幅の大きな地震も昨日は1時間数回であったが、本日に入り1 時間に15回程度に増加している。これまでに発生した地震の最大は、29 日9時42分のM3.5(暫定)であった。低周波地震も増加傾向にあり2 9日7時台には7回発生するなど、28日16時頃から29日10時までに 32回発生している。 地震は、引き続き北西山腹を中心に発生している。 以上のことから、今後数日以内に噴火が発生する可能性が高くなっており 、火山活動に対する警戒を強める必要がある。 噴火による被害が予想される居住地域では避難などの厳重な警戒をしてく ださい。 2.対象市町村等  以下の市町村では、当該居住地域で避難などの厳重な警戒をしてください 。 北海道胆振支庁:洞爺湖町、壮瞥町  以下の市町村では、火口周辺で入山規制などの警戒をしてください。 北海道胆振支庁:伊達市 3.防災上の警戒事項等 居住地域を含む広い範囲で、弾道を描いて飛散する大きな噴石に対する警 戒をしてください。 風下側では、少量の降灰に注意してください。 <噴火警戒レベルを4(避難準備)から5(避難)に引上げ> **(参考:噴火警戒レベルの説明)** 【レベル5(避難)】:危険な居住地域からの避難等が必要。 【レベル4(避難準備)】:警戒が必要な居住地域での避難の準備、災害時 要援護者の避難等が必要。 【レベル3(入山規制)】:登山禁止や入山規制等危険な地域への立入規制 等。状況に応じて災害時要援護者の避難準備等。 【レベル2(火口周辺規制)】:火口周辺への立入規制等。 【レベル1(活火山であることに留意)】:状況に応じて火口内への立入規制等。 (注:避難や規制の対象地域は、地域の状況や火山活動状況により異なる)